けやきのき

あれもこれも楽しみたい、理系大学院生の個人的で気ままな覚え書き。

研究とそれ以外と:学振の結果が出て。【追記】 

先日学振特別研究員の結果が出たところで、0to1のメンバーたちには良い知らせが来た方が多かったようです。

その翌日のミーティングで、皆でいろいろ話していたことと共通することが平松さんのエントリでも語られていましたので、ご紹介。

>0to1の中に限らず、学生が研究ではなくサイエンスコミュニケーション活動に時間を割く意義、というのがよく話題になります。もちろん、0to1に参加している人たちは多少の方向性の違いはあれどそこに意義があると思っているからこそそこに集っているわけですが、時間が奪われることを気にする周囲の目、あるいは自分の中での葛藤があることも事実でしょう。

そうなんです。
実はこうした話題は今年のサイエンスアゴラで開催予定のWSでも取り上げるつもりです。

私たちは意義があると思うからやっている。
でも、大学院生の置かれている状況というのは実はとても厳しいし、学生がこうした活動に携わることには賛否両論あります。もちろん、自分たちの中での葛藤も。

>0to1中心部から学振研究員に採用される人が出るということは、サイエンスコミュニケーション活動をしていても研究者候補生として認められるだけの研究力が培える、ということを示しているわけです。限られた時間で研究をしっかり進めてきたご本人たちの努力の賜物であるのは間違いないのですが、研究以外の事やったら研究がおろそかになる、というほど単純なものでもないということですね。

0to1メンバーで学振が取れた人々は、実際、ほっとしているのではないでしょうか。

私自身も、去年なんとか内定を頂けた時は胸をなでおろしたのですが、私の場合は"科学コミュニケーション"よりも、"研究と子育て"に関わる諸々のことの方が気にかかっていました。
自分の進路や生活の上でも、もちろん学振を取れるか否かというのは大きなことではあったのですが、プラスして、子供がいたら研究がおろそかになる、という図式になるのを恐れていた、という側面もあります。

実は、平松さんが学位を取られた頃、メールでちょっとこういう話をやり取りしたことがあります。

平松さんは科学コミュニケーション活動に熱心に関わっていて、これできちんと学位が取れなかったら後進にも迷惑がかかる、とのお気持ちがあったそうです。

私は、研究できちんと成果を出せなかったら、子供を望む女性研究者・大学院生にとってうれしくない前例になってしまう、という妙なプレッシャーもあります。


↑こういうプレッシャーって、自意識過剰なところもあるのかな、と思いつつ、研究とそれ以外とを望む場合には研究がおろそかになってはいけない、という意識は、多かれ少なかれかなりの人が持つものだと思います。
#子育てに関しては、本当は、長期的な視点で見て、各自が緩やかにバランスできるような状況も必要だと考えています。ただ、私個人ではこういう意識があって、それは良くも悪くもあり、悩ましいところでもあります。


平松さんもおっしゃるように、
>研究以外の事やったら研究がおろそかになる、というほど単純なものでもないということですね。
これは実際、そうだと思います。

ただ、現時点で定量的な議論ができるわけではないですし、周り(先生方も含めて)がどう思うか、またそれ以前に、本人がどこまで納得できているか、というのは難しい問題です。

0to1では、研究優先!と皆が意識してはいますが、果たして自分は本当に研究ができているのか。研究以外の活動が、研究を圧迫してはいないのか。ミーティングに2時間出ている間に、データをひとつ出せるのではなかろうか、などなど、それぞれが葛藤を抱えてはいます。


でも、研究以外の活動にはデメリットばかりかというとそうではなく、それらが研究に向かうモチベーションになったり、研究する上での力を向上させたり、という良い面もあります。そして、自分が意義があると感じることにきちんと向き合う、という姿勢は、研究にも通じるものがあるかもしれません。


打算的、効率的なだけでは研究も飛躍しません。
それ以外のことにもどんどん首を突っ込める元気な人々が、研究でもちゃんと成果を出せる、というのはきっと不思議ではないのではないかな、とも思います。


私も本当に自信がないので、研究者としてやっていけるか、とか、この先どうなるか、などいろいろ不安があるのも確かです。それでも、研究が好き、子供たちがいることが幸せ、科学コミュニケーション活動も大切。これらは全部、自分にとって本当のこと。

だからこそ、自分自身でバランスしつつ、欲張りに進んでいくしかないのかな、と思っています。
うん、いろいろ、がんばろうっと。


【追記】
読み返すと、一部研究(仕事)至上主義っぽいですね。
この辺はいろいろ思うこともあって、それこそ子育て中の身としては複雑ながら言いたい事もたくさんあるのですが、長くなりそうなのと話が拡散するので、それはまたの機会に。


[ 2008/11/04 14:38 ] サイエンスと社会 | TB(0) | CM(4)
こんにちは、初めまして。
>定量的な議論
家庭の社会学の話なのですが、自分の家庭での活動時間を
逐一計った結果をもとに議論する研究があるそうです。

エントリーの件に応用すると、家庭と研究室での活動時間をそれぞれ計って、
ということになるのですが。。大変ですが、どうでしょう?
[ 2008/11/05 22:00 ] tny [ 編集 ]
>tnyさん
はじめまして。コメントありがとうございます!

>自分の家庭での活動時間を
>逐一計った結果をもとに議論する研究があるそうです。
おもしろそうですね。どのような研究なのか気になります。

ただ、研究にしろ、家庭にしろ必ずしも"活動時間の多寡"で評価できるものではないのが難しいところですね。実験系の研究に関しては成果と時間がある程度相関しそうな気はしますが、家庭に関してはどうなのか・・・気になるところです。
(そもそも、家庭における"成果"とは家族の幸せ・・・?これも定量しがたいものですね)
[ 2008/11/06 23:07 ] suikyo [ 編集 ]
遅くなりました。

>家庭での活動時間を計る
手短かですが、こちらが参考になるかもしれません。
http://plaza.rakuten.co.jp/garden1022/diary/200806060000/
[ 2008/11/20 00:14 ] tny [ 編集 ]
拝見しました!
興味深い記事でした。

私もせっせと密度を高めようとしているのだな、と再認識しました。


[ 2008/11/20 14:54 ] suikyo [ 編集 ]
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する